頭痛の原因・改善・予防法

①頭痛の主な原因はどういったものが考えられますか?

そもそも”頭痛”とはいったい何でしょう?

ⅰ、風邪をひいて、熱が出て、頭が痛い‥
ⅱ、頭をぶつけて(打撲)、コブができて痛い‥
ⅲ、頭の痛い出来事にあったり、そんな仕事を申しつけられたり‥

ⅰ、ⅱに関しては、どなたも経験があり、周りの人の理解してくれて、対策も決まっているでしょう。 ⅲはそれこそ頭の痛い問題です。特にストレス社会の現代では‥

話を前に進めるために、頭痛を大きく2つに大別します。

ⅰ、脳梗塞、くも膜下出血、脳内出血など、脳に直接関係する頭痛

多くの方々は過去に経験したことが無い痛みだと思います。
→迷わずお医者さんに行きましょう。
いわゆるヤバイ頭痛かも知れません。

ⅱ、たまにやってくる嫌な奴(頭痛)

ご本人にはとても辛い症状ですが、命に別状はない慢性的な頭痛で、
・緊張性頭痛
・偏頭痛
などが、これらにあたります。

慢性的な頭痛ということは、裏返して言えば、お医者さんに行っても芳しくない頭痛ということになります。

脳の周りには髄液があり、その髄液が老廃物と栄養素を交換する役割と、外的なショックから脳を守る働きをしています。 その髄液を入れる袋として、髄膜があります。
(膝の関節の周りには、関節液があり、その袋として関節包があるのと似ています)

髄膜は更に、硬膜・クモ膜・軟膜の3層で形成されており、 おたまじゃくしのしっぽのように、骨盤部までつながっています。

頭部の硬膜の外側に頭蓋骨があり、 頭蓋骨の下部には、首からつながる筋肉や、 顎を動かす筋肉、表情筋などが付着しています。
また、側頭部~頭頂部にかけての表面には、立毛筋が付着しております。

顔も含めて、頭部には多種多様の筋肉が付着しており、 視聴覚、味覚、嗅覚、感情表現等と密接に関係しております。

■緊張性頭痛

荒っぽくいえば頭の筋肉が緊張することによる頭痛です。

頭蓋骨周辺の筋肉が緊張して、コリ固まる。 コリ固まると血流が悪くなり、老廃物が貯まり、酸素や栄養素の供給不足に陥る。 筋肉が更に緊張・収縮して痛みが増す。
→痛みの悪循環

頭や顔の筋肉は、肩・腕や足・腰の筋肉に比べて非常に薄くなっています。
「頭に筋肉があるなんて?!」、と思われる方もいらっしいますが、頭も全面的に筋肉で覆われているのです。

筋肉は、筋繊維が束になっていわゆる筋肉を形成しており、 それを筋膜が外側から包んでいます。 (ソーセージの皮をイメージして下さい。)

筋肉の痛みは、筋繊維よりも筋膜で強く感じるのです。
女性に肉をチョッピリつままれてツネラレると非常に痛いですよネ。(笑) 薄い筋肉ほど、痛みに敏感であると言っていいかも知れません。

症状
□頭が重い(石を乗せられているような)
□頭が締め付けられるように痛い(ハチマキをしたような)
□ダルい
□めまいを伴う
□嘔吐感、嘔吐を伴う
□ダラダラといつまでも続く
etc

・同じ姿勢を長時間続けている。
頭の重さは4~6キロあるといわれています。
(ボーリングのボール程の重さです!)
首の筋肉は、ボーリングの重さ程ある頭を1日中支えているのです。 腰痛の項目でも述べましたが、筋肉はじっとしていることが苦手なのです。

・うつむき姿勢、アゴ出し姿勢
ボーリングのボールを持つときは、体の重心近くで持ちますよね。 重心から遠ざかるほど、持つのはキツイことは誰でも解っているからです。
うつむいたり、アゴを出した姿勢で過ごすことは、ボーリングのボールを、体の重心から放して持つようなものです。

楽に感じるうつむき姿勢やアゴ出し姿勢は、首に相当な負担をかけているのです。

筋肉は、両端が骨に付着している腱とつながっており、 一般に腱の近くは細く、中間部は太くなっています。

作用・反作用の法則で、細い部分にも太い部分にも同様の力がかかりますが、細い部分ほど張力(単位面積当たりにかかる力)が強く、負担が大きいと考えられます。
また、太い部分は血量が豊かなため、老廃物と栄養素等の交換が充分に行われコリにくいと考えられます。

筋肉の頭に付着する部分は非常に細く(薄く)なっているので、より負担が大きく、コリやすいため、頭痛につながります。

・トリガーポイント
”トリガーポイント”という言葉を聞いたことがあるかも知れません。
トリガーとは引き金という意味です。 「痛みの引き金」となるポイントが筋肉に発生します。

筋肉に発生したトリガーポイントは、他の部分に痛みを飛ばす性質があります(関連痛)。
指圧やマッサージなどの施術を受けたとき、指で押された場所とは違う部分に”痛み”や”シビレ”を感じたことはありませんか? その押された部分がトリガーポイントです。

肩や首の筋肉に発生したトリガーポイントが、頭の筋肉に痛みを飛ばすのです。

・精神的なストレス
ストレスにより、筋肉は緊張し、緊張が連続すると凝り固まっていきます。 特に、アゴ・首・手などには顕著に現れます。 そして、頭に付着した筋肉の緊張を痛みとして感じると頭痛になります。

■偏頭痛

髄膜の血管や、頭蓋骨内の血管が拡張して炎症が起き、 その神経信号をズキン・ズキンと感じていると考えられているようです。 (脳ミソは痛みを感じません。”髄膜が痛みを感じている”のです。)

血管が拡張したぐらいで炎症が起きるのか?
だったら煙草を吸って、血管を収縮させたら痛みが和らぐのでは?
(少し不謹慎だったでしょうか?)

ともかく、脳の奥ではなく、頭蓋骨の下にある髄膜で痛みを感じているのです。

私たちはよく血流と言いますが、血液だけではなく、体液(髄液、関節液、リンパ液など)が、 細胞の老廃物と栄養素の交換などを行っています。 ここでは、体液の流れを、大きな意味での血流と言うことにします。

私は頭痛の権威ても研究者でもありませんが、

血流が悪くなることにより、髄液の交換が悪くなり、 三層構造の髄膜に微妙な変化が現れ、 引きつるように髄膜が緊張し、痛みの刺激が与えられて、 心臓の拍動により、ズキン・ズキンと増悪する。

と考えたほうが、自然な感じがします。

症状
□「ズッキン、ズッキン」と脈に合わせて痛む。
□痛みは片側の側頭部に出ることが多いが、両側性もある。
□強い痛みが数時間~2・3日続く。
□カラダを動かしたり、力んだりすると痛みが増す。
□嘔吐感、嘔吐を伴う。
□音や光に敏感になり、周りがうるさかったり、まぶしい光で痛みが増す。
□週末やストレスから開放された時に痛むことがある。
etc

・血管の拡張?

血管拡張の原因も解っていないようです。
先に述べたように、疑問点もありますが、血管拡張が原因であるとすれば、 先ずはお医者さんに行って、薬を飲むのが良いでしょう。

※もし、効き目が無ければ、あなたの偏頭痛は血管拡張型ではないのでは?薬に頼り切らない方が良いと思います。

・原因は不明と言った方が良いでしょう。

血管が拡張し、回りの組織を圧迫して起こるのが偏頭痛なので、 マッサージや入浴などの血流を良くするようなことは、逆効果だと言っている人もいるようですが、 実際、偏頭痛の患者さんに整体を施して、症状が軽快するケースはあるのです。 ただ、緊張性痛に比べて、軽快させるには難儀します。

偏頭痛と同類の血管拡張型頭痛に、群発性頭痛があります。
これは更にメカニズムが解っていないようで、 私的には、これも大きな意味での血流が悪いことが原因と考えています。


②頭痛の改善例や改善しやすいタイプはありますか?

肩こりや腰痛に比べて、頭痛改善の目的で整体院に来る方は少ないです。 ただ、よくお話を聞くと、肩こりや首の不調を訴える患者さんの中に、 頭痛持ちの方が多く見受けられます。

緊張性頭痛でお悩みの方には、整体やマッサージ等を特にお勧めします。
まず痛みをとってから、焦らずにご自身に合った対策を考えましょう。


原因不明な偏頭痛は厄介ですが、緊張性頭痛を併せ持つ場合もあります。
少しでも痛みが和らげば、救われるものです。 薬でダメだと諦めないで、整体をお試し下さい。


③頭痛の予防に大切なことは何ですか?

ひとことで言えば、頭痛の元は緊張だと考えられます。

・腰痛の項目でも話しましたが、同じ姿勢を続けないこと
(筋肉は動かすためにあるもので、じっとしているとかえって緊張する)

姿勢を正すこと
良い姿勢は重要です。
しかし、いくら姿勢が良くても不動では緊張します
乱れたら正す。これを繰り返すことが良い姿勢をとることです。 ”この少しの動きの繰り返し”が筋肉の緊張を和らげるます。

リラックス方法を見つけること
緊張するなと言っても無理なこと。
頭痛持ちではありませんが、私も気が小さく、とても緊張し易い性格です。

自分に合った方法(儀式でもいいと思います)を見つけて下さい。
体操、入浴、晩酌?(私はコレですが‥)など、毎日のイベント的なものと、 いつでもできる、簡単なストレッチや深呼吸のような動作を身に着けるよいと思います。

自分を誉めること、好きになること
頭痛持ちの人には、真面目でキッチリした人が多いようです。
もっと頑張らなきゃ。それにはあれも、これも‥
少し肩の力を抜いて、たまには自分自身にご褒美をあげて下さいネ

疲れたら休みましょう そして、そんな自分を情けないと思わないで、可愛いなと思いましょう。


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